血液検査関連用語解説 |
2015/11/16 カテゴリー/医療
□ 血液検査関連用語
■ 血算(complete blood count:CBC)
もっともよく行われる基本的な血液検査で、血液中の赤血球、白血球、血小板の数を調べます。
■ 好中球アルカリホスファターゼ(neutrophil alkaline phosphatase:NAP)
成熟好中球の細胞質に存在する酵素。感染症など好中球が活性化された状態で増加します。
慢性骨髄性白血病は、この活性値が低いことが特徴です。
■ 骨髄生検
腸骨にやや太い針を刺して骨髄組織を切り取ります。骨髄穿刺をしても骨髄液が吸引できない場合には有用です。
■ 骨髄穿刺
胸骨(胸の中央にある骨)、または腸骨(腰部の骨)に細い針を刺し、骨の芯となる部分(骨髄)にある骨髄液を注射器で吸引します。骨髄液中に含まれる幼若な骨髄系細胞、赤芽球細胞などの数や比率を顕微鏡で詳しく調べます。
■ FISH(fluorescence in situ hybridization)法
特定の遺伝子にだけ結合する蛍光物質を使って、染色体の中にある目的の遺伝子を検出する方法。慢性骨髄性白血病(CML)の検査では、BCR-ABL融合遺伝子検出のために用いられます。BCR遺伝子とABL遺伝子にそれぞれ違う色を発する蛍光物質を結合させ、2つの色の光が隣り合っている遺伝子が見つかれば、BCR-ABL融合遺伝子がある(=CMLである)と判定できます。
■ G-band(G バンド)法
標準的な細胞遺伝学的検査法。ギムザと呼ばれる色素でDNAを染め、目に見える状態にして顕微鏡で観察する方法。23組の染色体はそれぞれ特有の縞模様(バンド)に染まるため、顕微鏡で見ることにより、どの染色体が欠けているとか、異常があるといったことが区別できます。通常、1人につき分裂途中の骨髄細胞20~30個の染色体を観察します。慢性骨髄性白血病ではPh染色体が認められます。
■ PCR(polymerase chain reaction)法
DNAの中に含まれている目的の遺伝子を、短時間で大量に複製する方法。少量のDNAから大量の目的遺伝子を得ることができるため、慢性骨髄性白血病患者さんでBCR-ABL融合遺伝子がごく少量しか存在しなくても、検出することができます。もっとも感度が高いRT-PCRを用いると、10万個程度の正常細胞の中にBCR-ABL融合遺伝子陽性細胞が1個含まれている場合でも検出が可能とされています。
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細菌のDNA合成を阻害して殺菌的溶菌作用を示すニューキノロン系の抗菌剤です。 通常、皮膚感染症、呼吸器感染症、泌尿器感染症、耳鼻科領域の感染症、眼科領域の感染症など、広い範囲の感染症に使用されます。
▼ ニューキノロン系
ニューキノロン (英語: New Quinolone) とは、合成抗菌薬の系列の一つである。DNAジャイレースを阻害することにより、殺菌的に作用する薬剤である。キノロン系をもとに人工的に合成・発展させたものであり、作用機序はキノロンと同一である。また、化学構造からフルオロキノロン(英: fluoroquinolone)とも称される。
経口投与が可能で比較的副作用が少ないということで頻用されている。しかし感染症学の知識を用いて診断を行えば、ほとんどの場合ニューキノロン薬なしで治療は可能である。結核菌に効果があるため、軽はずみに処方すると診断が遅れる。(ウィキペディア)
ワールブルグ効果と「がん」の夜明け>解糖系生命体とミトコンドリア生命体 |
2015/06/28 カテゴリー/医療
イギリスのレディング大学生物科学部のPhilippa Darbre博士は、「Jounal of Applied Toxicology」(応用毒物学)誌で2004年に、乳がん患者20人の乳房腫瘍細胞組織を分析した結果、全員からパラベン(発がん物質)が発見されたと発表し、その中で18人では更に多量のパラベンの蓄積が見られたと報告しました。
このことは、当時世界的に反響を呼びましたが、その後、2012年1月に出版された「Jounal of Applied Toxicology」誌に、再び同博士は、今度は乳がん患者40人を対象に同様の分析をした結果、全ての乳房組織からパラベンが検出されたと発表しました。
これは乳がん細胞とパラベンの密接な因果関係を示唆する重要な研究発表として注目されています。
参照:http://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/jat.1786/abstract
<参考リンク>:
がん細胞の研究で非常に謎とされてきた事柄に、「腫瘍学(特にがん細胞)におけるワールブルグ効果」と言うものがあります。
ドイツの医師であり生理学者で、1931年にノーベル生理学・医学賞を受賞したオットー・ワールブルグ(1883~1970)が、1955年に、「体細胞は長期間低酸素状態に晒されると呼吸障害を引き起こし、通常酸素濃度環境下に戻しても大半の細胞が変性や壊死を起こし、ごく一部の細胞が酸素呼吸に代わるエネルギー産生経路を亢進させて生存する細胞が癌細胞となる」という説を発表しました。
これは、がん細胞(悪性腫瘍)内では、嫌気(無酸素)環境だけでなく、好気(有酸素)環境でも解糖系に偏ったブドウ糖代謝が行われていると言うことですが、これをがん細胞における「ワールブルグ効果」と言います。
解糖系では、ブドウ糖1分子あたり2分子のATPしか産生されませんが、酸化的リン酸化では36分子のATPを産生できます。
ですから、ミトコンドリアで効率的にエネルギー産生を行う方が、細胞の増殖に非常に有利であると考えられるのに、がん細胞が酸化的リン酸化によるエネルギー産生システムをなぜ使用しないかが長い間謎とされて来ました。
解糖系でのエネルギー産生では、「効率は悪いが短時間にエネルギー産生が行える」と言うメリットがあります。
一方、ミトコンドリア系では「多段階の反応過程を経るので、エネルギー産生に時間はかかるが、効率は非常に高い」と言うメリットがあります。
生命の進化という観点から考察してみると大変面白いことが浮かび上がってきます。
今からおよそ38億年~20億年までの生命体は、全てが無酸素状態の嫌気的環境で存在する「解糖系生命体」でしたが、海洋のシアノバクテリアの光合成により大気中に多量の酸素が放出されるようになってから、その酸素を活用して効率よくエネルギー産生を行う「ミトコンドリア生命体」が出現するようになりました。
(人間は解糖系生命体とミトコンドリア生命体の合体型)
新潟大学医学部大学院教授の安保徹先生によれば。人間が様々の環境的ストレスや悪い生活習慣で、体が「低酸素」「低体温」状態になった時、そのような環境に適応するためにがん細胞(解糖系生命体)が出現したと言います。
安保徹先生は、これを「細胞の先祖帰り」と表現していますが、このことは「がん細胞」が、通常考えられているようないわゆる体内の「モンスター」ではないということを示唆しています。
(慶応大学医学部付属病院の近藤誠医師も「ガン細胞はモンスターなどではない」と現代医療のあり方に警鐘を鳴らしています)
がん細胞はなぜ「先祖帰り」をするのかと言うことをしっかり考察することで、生体内におけるがん細胞発生の機序を究明でき、その克服の道を見出すことが出来るようになるかもしれません。
「がん細胞」と言うと、あたかもがん細胞が生体内で有害な毒素を撒き散らして、宿主をして死に至らしめると言う恐ろしいモンスター的イメージが強いですが、実際は、がん細胞が出す毒素?と思しきものは「トキソホルモン」くらいで、いわゆる「体がだるい」「きつい」「食欲がない」というような症状をもたらすくらいで、これといって生死にかかわるようなものではありません。
ただ、がん細胞が発生する部位によっては、周囲の組織や器官などを圧迫したり、侵食したりすることでいくらかの不都合が起こることは有りえます。
しかし、それも適切な対処をすれば恐れるに足らないでしょう。
さて、以上の観点よりとりあえずの結論を出してみましょう。
がん細胞が「解糖系生命体」という点に着目すれば、人間が環境的ストレスを上手に解消し、体内に取り込まれる有害化学物質(薬剤、食物由来の保存料・発光剤などの添加物、残留農薬、成長ホルモン(食肉)、抗生剤(食肉)、有害放射線など)を出来るだけシャットアウトし、たとえ取り込まれたとしてもそれを上手に分解・解毒・排出するようにすることで代謝を促進し、「低酸素」「低体温」状態をしっかり改善することができれば、がん細胞自身には予めプログラムされているアポトーシス(プログラムされた細胞死/細胞の自殺)のメカニズムがありますので、がん細胞にとって、その存在環境がなくなるので、そのアポトーシスのメカニズムが作動して、自然退縮し、自然消滅に至るということは容易に推察することが出来ます。
このように考察すると、がん細胞は「環境に適応した細胞」と見ることもできますが、むしろ宿主の延命を図るために「必要があって生まれた」というのが正確な表現と言えるでしょう。
上記の、乳がん患者の例で見れば、パラベンという人体にとって非常に有害な化学物質が限界を超えて体内に取り込まれたとき、生体はそのリスクを回避するために応急的措置として、がん細胞というゴミ捨て場を乳房に作ったとみることができますが、これは、乳がんが「石灰化現象」と言うプロセスを伴うということと合わせで見ても、合理的に理解することができます。
石灰化することで有害な化学物質がそれ以上体全体に拡散しないようにコンクリート化されると見ることができますが、ゴミ捨て場も比較的安全な場所に作られていると見ることができます。
さて、ここまではガン細胞発生の現象的理解と克服のための単なるプロローグですが、次の章では更に本質的な理解のために、「がん細胞の存在意義」について「存在論的アプローチ」をして見たいと思います。
健康食品の基礎知識 |
2015/04/09 カテゴリー/美容と健康
一つは厚生労働省から認可を受けた「保健機能食品」で、もう一つは厚生労働省から認可を受けておらず一般食品と同じ分類の「健康食品」です。
前者は公的に成分の安全性やその働きが認められたもので、特定保健用食品、栄養機能性食品と呼ばれる健康食品で、後者はその成分の安全性や、その働きが公的に認められていない、いわゆる健康食品で、サプリメント、健康補助食品、栄養補助食品と呼ばれるものがそれにあたります。
「保健機能食品」は科学的根拠に基づいて、その有効性や安全性が確認されている成分を用いていることを前提に、国の規格基準を満たした食品や商品別にその認可が与えられています。特定保健用食品には「・・・働きが期待できます」というような表示が、栄養機能食品には「・・・に必要な栄養素です」といった表示が可能であり、これによって消費者の方々が明確な目的を持って健康食品を購入し、利用することが出来ます。
一方、その他の健康食品は保健機能食品のような効果・効能の表示はできません。そのために信頼性に欠ける面もありますが、中には世界的にその効果・効能が認められていながら、「保健機能食品」の認可を受けるメリットを必要としていないため、いわゆる「健康食品」として出回っている商品もあります。
また、サプリメントや健康食品は普段の食事では不足しがちな栄養素を補給するというのが基本的なコンセプトなので、これをベースに考え、活用することが重要です。
食生活が乱れがちな現代社会では健康食品を有効に活用すれば体質改善や健康維持に大いに役立つでしょう。
趣味と健康
WT1mRNA定量と急性骨髄性白血病(AML)について |
2014/07/17 カテゴリー/医療
WT1mRNA定量(BML/リアルタイムRT-PCR法による)の基準値は通常、50コピー/μgRNA未満とされていますが、100コピー/μgRNA以下でも予後は良好とされており、200コピー/μgRNA以上で、同時に数値の減少率が小さかったり、測定値が二回連続して増加したりした場合などは、再発の可能性が大きいと見て、造血幹細胞移植が勧められたりしているようです。
本来、急性骨髄性白血病の再発の診断は、臨床的所見と血液や髄液中の白血球の形態学的異型性により診断されていますが、その予後で予想外の展開を見る場合があり、形態学的に見ただけでは診断が非常に難しい場合があります。
そこで注目されているのが、このWT1遺伝子で、これが急性骨髄性白血病のマーカーともされています。
しかし、このWT1遺伝子異常が必ずしも白血病再発の診断の決め手というものではなく、確率的なもの≪確率が非常に高いというだけ≫であることを念頭に置く必要があるでしょう.
WT1遺伝子はヒト11番染色体短腕13領域上にある遺伝子ですが、この遺伝子の異常が再生不良性貧血や不応性貧血、MDS、白血病などの境界の分類の有効なファクターであることはある程度、信頼できるとしても、このことを理由に投薬の必要性を主張することがあるとすれば、それは大きな問題点をはらんでいるでしょう。
遺伝子異常は内外のストレスによる活性酸素(特にヒドロキシラジカル)や食物由来の有害化学物質(食品添加物、残留農薬、ホルモン剤、水道汚染物質、多薬剤など)やCT、PETなどの検診による放射線被爆などの環境的要因が大きいので、その環境的因子を取り除き(生活習慣の改善や食生活の改善など)、ストレスを上手に解消し、生体のホメオスタシスを向上させ、自然治癒力(免疫力)を向上させることこそが最も重要でしょう。
(環境的因子の中には異常タンパクの産生も含まれます)
ともあれ、急性骨髄性白血病において一番問題なのは、この数値による予後の判定のうんぬんというより、白血球、血小板、赤血球、ヘモグロビン等の全体的な減少傾向を根本的にしっかり改善することで、付随的に骨髄芽球や末梢血芽球の改善をするというスタンスが一番理にかなった改善方法だと確信しています。
白血病克服のためには、木の根に相当する、体の根っことも言うべき胃腸の働きを根本的に改善し、代謝・分解解毒・排泄機能としての肝臓、調節・排泄機能としての腎臓の働きを同時並行的に改善して、体内から病気の要因となっている有害物や老廃物等を速やかに排出することが、何よりも重要です。
そのためには、食生活や生活習慣の根本的な見直しをしながら(飲酒、喫煙などをキッパリやめる)、適切な食事療法や運動療法をしてゆくことで、完全寛解と言うより、完治(よほどの生活習慣の乱れがない限り、再発の可能性はない)を目指す、すなわち、自然治癒力(免疫力)による根本的な改善を目指すのがもっとも有効な手段でしょう。
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