グルコース(ブドウ糖)と膜輸送タンパク |
2011/03/26 カテゴリー/「お助け」用語辞書
グルコース(ブドウ糖)の分子は極性を有するため、生体膜を通過するのに特別な膜輸送タンパク質を必要とします。
この「膜輸送タンパク」には、輸送機構を進行させるのに、ATPの存在を要求し、ATP/ADP比に左右される能動輸送タンパク≪SGLT(sodium-dependent glucose transporter)類≫と、エネルギーがなくても機能できる促進拡散輸送(受動輸送)タンパク≪GLUT(glucose transporter)類≫があります。
※ 能動輸送:細胞がATPの力を直接あるいは間接的に利用して、物質を
濃度勾配に逆らって輸送する作用のこと。
受動輸送:細胞がATPの力を必要とせず、濃度差を駆動力とする膜輸送
であり、輸送方向は濃度勾配に逆らわない。
単純拡散(受動拡散)、促進拡散、ろ過、浸透の4つの形式
に分類される。
促進拡散:脂溶性の分子は溶解拡散によって生体膜を容易に透過でき
るが、一方水溶性の分子はそれが困難である。
そこで生体膜に存在する輸送体を介して極性分子の輸送を
促進する機構が存在し、促進拡散と呼ばれている。
促進拡散は単純拡散と違い、輸送速度は濃度差には比例
しない。
※ 能動輸送:細胞がATPの力を直接あるいは間接的に利用して、物質を
濃度勾配に逆らって輸送する作用のこと。
受動輸送:細胞がATPの力を必要とせず、濃度差を駆動力とする膜輸送
であり、輸送方向は濃度勾配に逆らわない。
単純拡散(受動拡散)、促進拡散、ろ過、浸透の4つの形式
に分類される。
促進拡散:脂溶性の分子は溶解拡散によって生体膜を容易に透過でき
るが、一方水溶性の分子はそれが困難である。
そこで生体膜に存在する輸送体を介して極性分子の輸送を
促進する機構が存在し、促進拡散と呼ばれている。
促進拡散は単純拡散と違い、輸送速度は濃度差には比例
しない。
また、このGLUT(グルット)類(SLC2A:solute carrier family 2)は3つのサブクラスに分類されており、クラスⅠはGLUT1~4、クラスⅡはGLUT5、7、9、11、クラスⅢはGLUT6、8、10、12及びH+/myo-イノシトールトランスポーター(HMIT、SLC2A13)が含まれます。(GLUT1~12は遺伝子SLC2A1~12に対応)
クラスⅡ及びクラスⅢのトランスポーターにおけるグルコース輸送体アイソフォームの機能はまだ明確には定義されていません。
インスリンの標的臓器である筋肉(心筋、骨格筋)や脂肪組織でグルコースの取り込みを促進させるのは、GLUT4です。
グルコースの取り込みと糖輸送体(トランスポーター)の関係を簡単にまとめてみると、
A) 肝臓への取り込み
インスリンによる促進を受けない取り込み
B) 骨格筋への取り込み
骨格筋ではグルコース輸送体としてGLUT4が細胞質内に存在しており、インスリンの働きで細胞膜に転移(translocation)し、グルコースを細胞内に取り込みます。
このように、骨格筋へのグルコースの取り込みはインスリン依存的です。
C) 脂肪細胞への取り込み
インスリンは脂肪細胞へのグルコースの取り込みを促進します。
脂肪組織ではGLUT4及びGLUT1がインスリンによって細胞質から細胞膜への転移を起こし、グルコースを細胞内に運び入れます。
それでは、肝臓での糖代謝についてすこし考察してみましょう。
肝臓での糖代謝では、肝臓はブドウ糖を糖新生やグリコーゲン分解により、肝静脈を経て全身に供給しています。
糖尿病で高血糖になるのは、インスリン不足の為、主に、肝臓での糖新生が抑制されないことが原因となっています。
食事で摂取され、消化管から門脈血中に入ったグルコース(ブドウ糖)は、肝臓で取り込まれ、残りが、肝静脈から血中に入り、動脈血中に入ったグルコースは、主に、骨格筋のGLUT4により取り込まれます。
正常な人では、肝臓の糖新生は、低濃度のインスリンでも抑制されますが、肝臓でのグルコース(ブドウ糖)の取り込みは、インスリンの作用に依存しないGLUT2により、行われるために、インスリン濃度で差が生じにくいです。
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