医療現場から見えるもの |
2014/01/01 カテゴリー/医療
医療費の肥大化が深刻な社会問題化しつつある昨今ですが、これだけははっきり言えることですが、ほとんどの病院がもはや人間の病気を治すところと言うより、「巨大医療ビジネス」の窓口になってしまっているということです。
しかし、この事に気づいている患者さんは殆どいません。相変わらず、病院に行けば何とかなると考えているのです。
交通事故や怪我、救急医療などの現場ではそれなりの病院本来の使命を果たしていると見ることもできますが、こと慢性医療の現場に関してはその実体はあまりにも悲惨です。
何か背後の大きな黒い力に突き動かされて、医師も看護師も知らず知らずのうちに自覚症状もないままに、ベルトコンベアー式に対処せざるを得ない状況下にあると言うのが大部分の現状ではないかと思います。
人の生き血を吸って生きている医師や看護師がいるとは考えたくもありませんが、現実はどうでしょうか。
私の妻が以前、交通事故を起こし、救急車で緊急搬送され、足の開放骨折の手術をしたことがありました。
術後、傷口も徐々に治って行きましたが、その治療過程で病院の現実を知りました。
主治医は傷口を洗うのに消毒薬は使わずに普通の水道水を使いました。
主治医はその方が早くきれいに治るとのことでしたが、看護師長はその治療方法に反対の立場で消毒薬を使うよう主張していました。
その主治医の判断は、消毒薬を使うと治りが悪いという経験的判断と水道水には既に殺菌剤(塩素など)が入っているのでむしろ安全であるということでした。
更に、傷口の肉の再生を促進させる薬剤が期限切れになったものを使用しようとしたら、看護師が「それは期限切れですので駄目です」と言いましたが、その主治医は、「消費期限なんてものは製薬会社が勝手に決めたもので、期限が切れたからすぐに使えなくなるということなどあり得ないのだ」と言いつつ、薬剤を無駄にしてはいけない(病院は儲かるが、患者さんの負担は大きくなる)といわれその薬剤を使い切りました。
私はその時「患者に対して責任を持つ」ということは、まさにこの事だと実感しました。
傷口を水道水で洗った後、すぐに十分な生理食塩水できれいに洗うことで痛みも軽減され、実際予定よりも早く治癒に向かいました。
今にして思うと、その主治医は外科部長でしたが、本当に名医だったんだなーと心から感謝しました。
マニュアル通りに処置すれば、たとえ医療過誤が起こっても医師自身の責任は追及されません。しかし、何とかして患者さんを早く安全に治してあげようとしてマニュアル通りではなく最善の現場判断で、治療を試みれば、もし問題があった場合は確実にその医師の責任になってしまいます。
あえてその責任を追及されるような状態に身を置いてまで、良心に従って判断し、治療している心ある医師がいることを知ってジーンときましたが、世の中、こんな医師だけであればもっともっと病気が減少し、国民の血税の無駄遣いも激減するだろうとしみじみと考えました。
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