糖尿病克服の指標 |
2011/10/13 カテゴリー/健康110番
糖尿病とは血糖値の高い状態が続く病気(糖代謝異常)のことですが、それには様々の原因が考えられます。
一つは遺伝的要因のⅠ型(自己免疫疾患)で、もう一つは生活習慣によるⅡ型があり、現代の糖尿病の殆ど(約95%)が後者で、生活習慣病とも呼ばれています。
糖尿病発症は主に運動不足とストレスなどによる「肥満」が原因で、糖の代謝異常を引き起こすことで、毛細血管の損傷や、神経伝達障害、血栓症、動脈硬化と言った様々の症状をもたらし、ほっておくと、更には心筋梗塞や脳梗塞、癌、網膜症、腎症と言った重篤な合併症を引き起こします。
正常人の小型脂肪細胞は、通常、直径が70μ位で、生理活性物質として善玉アディポサイトカインであるアディポネクチンやレプチンを分泌しますが、肥満によって直径が100μ以上の大型脂肪細胞になると悪玉アディポサイトカインであるTNF-α(インスリン抵抗性)やIL-6(炎症)、PAI-1(血液凝固)、遊離脂肪酸(脂肪毒性)などの生理活性物質を分泌します。
これらが糖尿病発症の大きな要因となっています。
また、アディポネクチンは、肝臓や筋肉へのグルコース(ブドウ糖)の取り込みを促進し、脂肪の燃焼を促進したり、血管の障害部位を修復したり、蓄積した中性脂肪を燃焼させることが分かっています。
アディポネクチンによってAMPキナーゼが活性化すると、肝臓では糖新生が抑制され、骨格筋では糖(グルコース)の取り込みが増加し、血糖が低下します。
肝臓や筋肉に中性脂肪が蓄積するとアディポネクチンが分泌されなくなり、インスリン抵抗性(インスリンの効き目が悪くなる⇒インスリン受容体の感受性の低下)が現れます。
アディポネクチンが分泌されていても、アディポネクチン受容体が欠損すると肝細胞にアディポネクチンが結合せず、血糖は降下しません。
アディポネクチンやレプチンは体全体のインスリン感受性が改善するように作用します。
アディポネクチンはサプリメントによっても増加させることが出来ます。
白内障の原因 |
2011/09/27 カテゴリー/健康110番
食物によって吸収された糖質(ブドウ糖:グルコース)は、眼球の水晶体でソルビトール代謝経路を通し代謝されますが、糖尿病などの疾患では、水晶体内のブドウ糖濃度が高くなり、アルドース還元酵素により還元されて生成されるソルビトールが水晶体にたくさん溜まるようになります。
ソルビトールは水晶体を包んでいる膜(嚢)を通過できないので、それによって水晶体が濁り、白内障となります。
また、活性酸素は糖尿病などによる高血糖によって、ミトコンドリアの電子伝達系を介して多量に産生されます。
更に、紫外線などによって発生した活性酸素(一重項酸素)などの影響で、眼球奥の不飽和脂肪酸が酸化され、過酸化脂質が生成され、白内障になります。
また、老人性白内障もこの過酸化脂質が原因となっており、活性酸素(主にヒドロキシラジカル)の影響が深く関与していることが分かっています。
※ 体内で発生する活性酸素はスーパーオキシド、過酸化水素、
ヒドロキシラジカル、一重項酸素の4つがあり、最も酸化力が
強いのがヒドロキシラジカルである。
《眼球の構造》
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膠質浸透圧 |
2011/09/25 カテゴリー/「お助け」用語辞書
毛細血管は交換血管であるが、毛細血管壁にはかなり大きな穴があいており、そこから血球や高分子(タンパク質)は通さず、小分子やイオンを含んだ血漿が間質に押し出され濾過作用が行われている。
アルブミンなどの多くのタンパク質は濾過で血管中に残されるが、これらは水をひきつける浸透圧作用を持っている。この場合の浸透圧は、膠質浸透圧と呼ばれ、細胞膜の内外の間などで生じる通常の浸透圧とは区別されている。タンパク質の溶液がコロイド溶液に類似しているために、膠質浸透圧と呼ばれるが、実際にはタンパク質は完全に溶解しており、真の水溶液である。
またタンパク質はマイナスの電荷を持っているため、これと電気的に平衡するように陽イオン(おもにナトリウムイオン)が血漿中にひきつけられ、間質液との間に濃度勾配を生じる。これをドナン効果というが、このナトリウムイオンによって生じる浸透圧も膠質浸透圧として計算される。ドナン効果はタンパク濃度が増加すると曲線的に増大するため、血漿と間質液の間の膠質浸透圧較差もずっと大きくなる。
ヒトでは血漿タンパク濃度が7.3g/dl前後であるのに対して間質液中のそれは2-3g/dlである。この時血漿の膠質浸透圧は約28mmHgであり、間質液のそれは約8mmHgである。この濃度差から生じる膠質浸透圧較差によって循環血液量が保たれている。低アルブミン血症ではこの膠質浸透圧が低下するため、循環血漿量が維持できずに間質に流出してしまい、全身性浮腫や血管内脱水の原因となる。(引用:wikipedia)
水素結合 |
2011/09/25 カテゴリー/「お助け」用語辞書
一方、電子を引き付けた酸素や窒素は、逆に若干マイナスの電荷を帯びる。このような少しプラスの電荷を帯びた水素原子と、別の分子のマイナスの電荷を帯びた原子との間に静電的引力が作用してできるのが水素結合。
分子内に電荷の偏りがある分子を極性分子といい、水分子はその例。水素結合の強さ(結合エネルギー)は共有結合の約10分の1だが、分子間力(ファンデルワールス力)よりも1桁大きく、通常、20〜30キロジユール/モル(kJ/mol)程度の大きさ。水素結合が液体や固体中の水分子を結び付け、同族元素の類似分子である硫化水素やセレン化水素より融点も沸点も高い特性を示す要因になっている。
また、ベンゼン環に付いた2つの官能基、例えばOH基のHとカルボキシル基のCOとの間を結び付ける分子内水素結合もある。
( 市村禎二郎 東京工業大学教授 )
地球上のほぼすべての生物の遺伝情報を担っているDNA(Deoxyribonucleic acid:デオキシリボ核酸)は、この水素結合によって二重らせん構造を形成している。
この水素結合がなければ「生命は存在できない」ということであります。
「活性水素」と「活性酸素」 |
2011/08/25 カテゴリー/お役立ち情報
赤血球が活性酸素によってどのように変化するか。
また、活性酸素と抗酸化物質(スカベンジャー)の働きを検証します。
「活性酸素」の脅威と抗酸化物質(スカベンジャー)ー動画
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